大切なもの <ライル・ウォーカー>

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僕は事のあらましをライルに説明した。 大抵の人間がこの事で一番初めに驚くんだ。 まぁ、しょうがないだろうね。 誰だって記憶が改竄されていたらビックリもするさ。 「・・・・という事で、一ヶ月間よろしくね」 僕がそう言うと、ライルは酷く顔を歪めて呟いた。 「俺、ホントに死ぬのか」 「そうだよ」 「何でだよ…何で俺なんだよ」 その問いに僕は答える事が出来なかった。 事実、何故ライルなのか、その経緯を僕は何も知らない。 全ては上の方で決められていて、僕はただ下された命令をこなしているだけなのだから…。 「ホント、何で君なんだろうね――」 見上げた夜空には、まるで宝石みたいな星が散らばっていて、僕らの事なんてお構いなしに綺麗に輝いていた。
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