大切なもの <ライル・ウォーカー>

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ーーーーーー ーーーー ーー 商業都市 ザーラ 王都から程近いこの街の中心部にある酒場でライルは働いていた。 「何だよ、またテメェか」 「何だとは失礼だね、僕は君の願いを叶える為にいるんだよ?・・・あ、僕にもキール酒一つね」 ちっと舌打ちして店の奥に向かうライルの背を見送りながら、僕はこの数日の事を思い返していた。 どうやら彼は本気で僕を・・・というか僕の存在を無視する事に決めたようだ。 いくら"願い事は何だい?"と聞いても"俺はまだ死なねぇ、だからテメェに願う望みもない!!"の一点張りだ。 いくら僕でも、こうまで聞き分けがないと我慢の限界がきそうだよ。 「ホント、いい加減願いを言ってくれないかな」 「あぁ!?」 僕はキール酒を持ってきたライルを横目で睨みながらそう呟いた。
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