大切なもの <ライル・ウォーカー>

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ーーーーーー ーーーー ーー 「あっ!!おーい、ルーク!!」 ぶらぶら街を歩いていると、通りの向こう側からグレンが手を振りながらやって来た。 よく見ると大量の食材を抱えている。 ・・・これって、いつもの倍以上しゃない?? 僕がそう問い掛けると、「今日は兄ちゃんの誕生日なんだ!!」という答えが返ってきた。 「そうだ!!ルークも今日ウチに来てよ!!一緒にお祝いしようよ!!――ゴホッゴホッ」 「大丈夫かい??そういえば前からずっと咳をしていたね」 「ゴホッ…うん、風邪なのかな、ずっと咳が抜けないんだ・・・ゴホッゴホッ」 「ちゃんと医者に診てもらった方がいいよ。きっとライルも心配してる」 人間は僕達と違って脆弱だからね。 僕がそう言うと、グレンは笑って「そうだね」とまた少し咳き込みながら答えた。 「兄ちゃん、心配性だもんね…うっゴホッゴホッ…ガハッ!!」 ポタ…ポタ… 「!!!!!!グレンっ!!」 咳き込み、口元を押さえたグレンの手の隙間から鮮血が零れた。 「グレン!!どうしたの、グレン!!」 血を吐くなんてただ事じゃない。 意識を無くしたグレンを抱えて、僕は柄にもなく焦りまくっていた。
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