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「グレン!!」
「・・・ライル」
話を聞いたのか、ライルが息を切らせて家に戻ってきた。
「おいルーク!!これはどういう事だよ!!」
「落ち着いてよライル…グレンが起きてしまうよ」
家に入るなり襟を掴みあげてそう怒鳴るライルを宥めて、僕は部屋を出た。
「死病だそうだよ」
「――何だって?」
「肺を病んでる。
鮮やかな色の喀血、今まで続いた咳…それらを鑑みて、まず間違いないそうだよ」
「そんな――」
今の医学において肺の病――通称"死病"は治療不可能な病気だ。
名前の示すとおり、発症したら最後、それはそのまま死に直結してしまっている。
「何でなんだよ…」
「・・・ライル?」
「何でなんだよ!!死ぬのは俺のはずだろ!?何でグレンが死病なんかになってんだよ!!」
僕は何も答えられなかった。
僕が知っているのは、今回の相手であるライルの事だけだからだ。
ただ今の所、僕以外の使者の気配は感じないから、今すぐどうなるという事はないはずなんだけど…
僕がそれを告げると「そんな事言ってんじゃねぇんだよ!!」とライルに怒鳴られてしまった。
「そんな事じゃねぇんだよ…何で…ちくしょう!!」
「ライル――」
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