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王都 ミスリア
この国の中心である都の、さらに中心にある王宮。
その中において最たる高みに座る人物が、今回の僕の任務の相手だ。
「――何者だ」
「初めまして王様。あなたの願いを叶えに来たよ」
執務室に一人で座っている人物は、世の"王様"という言葉で連想される様な年齢には程遠かった。
若いな…
まだ二十歳を少し越えた位だと思うけど・・・
「"最後の使者"か…」
「ご明察。――君は驚かないんだね」
この位の人間は、まずパニックを起こすものなんだけど、目の前に座っている彼は、至極冷静だった。
「ふん…王位についたその時から、すでに覚悟は決めている」
「へぇ」
「だが、早いな。よりによってこの時期か」
でもまぁ、これなら話が早いや。
今回はすんなり終わりそうだね。
そう思った僕は、さっそく彼に問い掛けた。
「僕の名前はルーク。君の願いは何だい?」
「そうだな…私の望みは、この国の恒久的平和だ」
・・・・・・・・・何だって?
「ごめん、もう一回言ってくれないかな」
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