守るべきもの <ギルフォード・ハイヘンベルク>

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「大体の所は調べがついたのだ。だが、肝心の黒幕が一向に掴めない」 「なる程。だから"真実を知りたい"という訳なんだね」 「そうだ。金の事だけならば、まだ多目に見よう。だが、武器となるとそうもいかん。 下手をすれば戦の火種になりかねん。それだけは阻止しなければならない」 もしも自分に幾ばくかの時間が残されているのならば、自分の手で核心を掴む所なのだが―― 王様はそう言葉を続けた。 確かに僕にとってそんなものは朝飯前だ。 でもさ、それでいいわけ? たった一つ、一度きりの願い事だよ? 僕がそう問えば、王様は"何を言ってるんだ"という顔を僕に向けた。 「私は王だ。民と国を守る義務がある」 「自分の"心"を押し殺してでも?」 「それが『王』という生き物の存在理由だ」
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