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何だか釈然としないな…
目の前に座っているこの人間は、きっと本心からの願いを言っているんだろう。
でも、本当に――?
そんな事を思って、僕は考えるのを止めた。
それは僕の考える事じゃない。
僕の仕事は、願いを聞き、それを叶える事だけなのだから。
「『ロベルト・ハイヘンベルク』」
「・・・何?」
「ロベルト・ハイヘンベルク。
それが、君が知りたがっていた"真実"だよ」
「――もう一つだけ教えて欲しい。
レオン・アーガイルは信の置ける人物か?」
「願い事は一つきりだよ。
・・・でも、まぁいいや、さっきのに含めてあげる。――彼は君を裏切る位なら自ら死を選ぶだろうね」
「そうか…」
そう言うと彼は静かに目を伏せた。
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