守るべきもの <ギルフォード・ハイヘンベルク>

6/13
前へ
/84ページ
次へ
何だか釈然としないな… 目の前に座っているこの人間は、きっと本心からの願いを言っているんだろう。 でも、本当に――? そんな事を思って、僕は考えるのを止めた。 それは僕の考える事じゃない。 僕の仕事は、願いを聞き、それを叶える事だけなのだから。 「『ロベルト・ハイヘンベルク』」 「・・・何?」 「ロベルト・ハイヘンベルク。 それが、君が知りたがっていた"真実"だよ」 「――もう一つだけ教えて欲しい。 レオン・アーガイルは信の置ける人物か?」 「願い事は一つきりだよ。 ・・・でも、まぁいいや、さっきのに含めてあげる。――彼は君を裏切る位なら自ら死を選ぶだろうね」 「そうか…」 そう言うと彼は静かに目を伏せた。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加