守るべきもの <ギルフォード・ハイヘンベルク>

7/13
前へ
/84ページ
次へ
ーーーーーー ーーーー ーー 『ロベルト・ハイヘンベルク』 彼はこの国の摂政でもあり、先代の王弟でもある。 つまりは、叔父だ。 「それでも君は、彼を裁くというの?」 この間の夜から、まるで時が動いていない様な執務室でそう問えば、彼は書類から顔を上げる事なく僕に答えた。 「当然だ」 「それが身内殺しになるとしても?」 「愚問だな。王族だからこそ許される事ではない。犯した罪は死をもって贖ってもらう」 コンコン… その時、来客を告げるノックの音が部屋に響いた。 「僕の事は気にしなくてもいいよ。君以外に僕の姿は見えないから」 「そうか」 「入れ」という声の後にやってきたのは、彼の侍従長を務めるレオン・アーガイルだった。 「陛下、例の件についてのご報告があります」 「聞こう」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加