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今回の相手である王様――ギルフォード・ハイヘンベルクが王位についたのは今から六年前、十八歳になった年のことだ。
その年の流行り病で父王他、主だった親族を亡くしたらしい。
まだ成人前の新王を補佐する為に叔父であるロベルト・ハイヘンベルクが摂政の位に就き、今まで何かと知恵を貸してくれたという訳だ。
・・・まぁ、早い話が、信頼していたんだろうね。
自分を助けてくれる年長者として。
そして、敬愛する父の弟として――
「・・・以上です」
「分かった――後もう少しだな」
「陛下…本気でお考えなのですか?」
「何がだ」
「王族への罰は"永の謹慎"が常です。それを死罪にするなど前例がありません」
「前例がないのなら、私がそれになるまでだ」
それきり二人の会話は途切れ、耳の痛い静寂が訪れた。
どの位、時が経っただろう。
とても長く感じたけれど、実際にはほんの少しの間の事かもしれない。
時計の針が時を刻む音だけが響く中、先に口を開いたのはレオンだった。
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