守るべきもの <ギルフォード・ハイヘンベルク>

10/13
前へ
/84ページ
次へ
「ずいぶん信用しているんだね」 再び誰も居なくなった執務室で僕は王様にそう問い掛けた。 この城の中で今回の件を知っているのは、僕を除けば彼だけだ。 「でもさ王様、最後の願いで僕に彼の事を聞いたよね。あれが君の本心って事かい?」 「レオンとは幼い頃より共に学び成長してきた。この城の中で唯一心許せる者だと思っている。 だが、疑わしき芽は全て潰しておかねばならんのだ」 ―――自分の命が長くないのなら、尚更、な。 そう王様は言葉を続けた。 疑わしき芽・・・ね。 でも、それってさ 「つまりは信用してないって事なんじゃないのかい?」 だって、そうでしょう? 本当に信用していたら僕に聞こうだなんて思うわけはないもの。 心の何処かで信じきれていない… そういう事でしょう? 「まぁ、別にどっちでも僕は構わないんだけどね」 王様が口を開く前に僕はそう言葉を続けた。 「さて…と、王様。僕が来た日から数えて、ちょうど一ヶ月後だよ」 「あぁ、それまでには終わらせる」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加