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「ずいぶん信用しているんだね」
再び誰も居なくなった執務室で僕は王様にそう問い掛けた。
この城の中で今回の件を知っているのは、僕を除けば彼だけだ。
「でもさ王様、最後の願いで僕に彼の事を聞いたよね。あれが君の本心って事かい?」
「レオンとは幼い頃より共に学び成長してきた。この城の中で唯一心許せる者だと思っている。
だが、疑わしき芽は全て潰しておかねばならんのだ」
―――自分の命が長くないのなら、尚更、な。
そう王様は言葉を続けた。
疑わしき芽・・・ね。
でも、それってさ
「つまりは信用してないって事なんじゃないのかい?」
だって、そうでしょう?
本当に信用していたら僕に聞こうだなんて思うわけはないもの。
心の何処かで信じきれていない…
そういう事でしょう?
「まぁ、別にどっちでも僕は構わないんだけどね」
王様が口を開く前に僕はそう言葉を続けた。
「さて…と、王様。僕が来た日から数えて、ちょうど一ヶ月後だよ」
「あぁ、それまでには終わらせる」
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