第二章

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「ミキってさ、まだあいつのこと好きなの?」 「あいつ?って誰?」 「菊池誠」 吹いてしまった。 女子高生にもなってはしたない。自重自重。 「さっき一緒にいたよね?」 またもや吹いてしまった。 我慢できなかった。残念。 「……なんで知ってるの?」 もしかしてストーカー? 「いやぁ、さっきふと窓の外を見てみると菊池クンが見えるじゃん?で、珍しいって思いながら眺めてたらミキが話しかけるとこを目撃した、ってところかな」 な、なるほど…。 まさかそんな裏があったなんて…。 ……て、え? じゃあもしかして、さっきの一部始終見られてたってこと? うわぁ、ヤバイなぁ。どうしよう。 あの流れだと端から見れば私が誠クンの気分を害して家に帰らせたみたいだよね? 嫌われてないかな? 「ねぇ、私って嫌われてないよね?」 「ん~?そんなことないよ?どしたの急に」 ほっ、よかった。 「ううん、なんでもない」 「ならいいんだけどねー」 二人してフフフッ、と小さく笑う。 こういうところは昔っから変わってないんだよね。
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