第一章

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―ピンポーン 誰か来たみたいだ。きっと高校の生徒がプリントやらなんやら届けに来たんだろう。 ……無視だな。 ―ピンポンピンポーン ………………。 ―ピンポンピンポンピンポンピンポーン! ………………喧しい。 仕方がない。 取りに行くか。 「はい。菊池ですが」 玄関を開けてすぐに、僕は後悔した。 女子だ。 名前は知らないが、長めの髪に大きな瞳。 表現もしたくないが、まあ学校内では可愛い部類に入るのだろう。 自然とあいつのことを思い出す。 嫌な思い出。 それらを振り払い、名前も知らない女子に目を向ける。 「……何か用かな?」
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