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「何故、小生が主に巡り合わぬのだ。全くわからん。小生ほど優れている物もいないだろうに。」
そう小生がうんうんと頭を悩ませ、愚痴を紡いでいると、隣から口やかましい声が聞こえた。
「何だ、まだそんなことを言っているのか。お前さんは俺と同じ"旧型"というやつなのだよ。今は俺達みたいな古びた携帯なんて興味がないのさ。何せ、今は"ス○ートフォン"とかいう奴が頭角を現してきたっていう話だ。」
小生が古いだと。こやつさては、身体のどこか壊しているのではあるまいか。そうではなくては小生のようなこの黒光に輝き、洗練された身体を有し、何万もの人に愛されてきた物を古びたとは言いまい。
…一昔前の話とは言いまい。
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