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アガルside
……じゃなくて、
昇side
……でもなくて、
芽衣side
どれが幻でどれが幻じゃないか
どれが夢でどれが夢じゃないか
どれが今でどれが今じゃないか
私は分からなくなっていた
どれを信じればいいの?
私が生きているのは──…
一体どこなの?
空が青々とした色をしていて
雲は暖かそうに流れてる
それが時を感じさせてくれて
そんなポカポカ日和のある昼間
私は家の道場の縁側にいるみたいでその表情は何だか凄く悲しそうで
理由は分からないけど、
あ………
私帰ってきたんだ。
帰ってきたって一体何処から?
今までのが全部悪い夢だったんだよ、きっと。
ゴロンと寝転がる私を──…
「芽衣」
誰かが呼ぶ。
誰?
兄上かな?
「芽衣、話がある」
私は体を起こして声のする方を振り向いた。
そして、私は息が止まるほどの胸の狂おしさに襲われる
そこには兄上とそれから──…
─────────────
──────────
───
──…それから、何よ?
「……ん………あ、れぇ?」
あ、こっちが現実か。
さっきのが夢ね。
うっすらと目を開けると私の視界には青々とした昼間の空と逆光で見えないが誰かが私を見下ろしている
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