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「最近は弓を初めたの、」
もう。
面倒臭いなー…。
「へぇ!アガルってば弓矢が出来るんだー」
だからそうだって。
「えー見たいなーアガルの弓矢」
「…………」
煩いなぁなんて思いながらも、私は縁側から立ち上がって彼の前に立ち上がった。
「?」
「こうやってね………」
弓を見たいと言った彼の言葉が
少しだけ、
本当に少しだけ。
嬉しかっただけ。
「獲物に集中して……ここだって思ったら………外す」
私は部活の時間を思い出して、想像する。あたかも弓矢を持っているかのように、彼に見せた。
あー部活……したいな…。
みんなに、会いたい
今頃、心配してるのかな?
兄上。恵理。姫宮組のみんな。
あぁ、考えないようにしてたのにな
そんなことを考えただけで鼻の奥にツンとした痛みが走った。
「ねぇ」
「あ、ごめん」
自分の世界に入っていたせいで、彼の存在を忘れていた。
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