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よし、いける。
ほんとにさよならだ。
私はゆっくりと目を閉じてフックにわっかをかけた。この時点で少しだけ息が上がっていた。
そしてつま先をふわりと宙に向けた。
その途端、沈黙を破ったかのように縄跳びは軋みだし、そして私も唸った。ほんの僅かな間に全身の血がさっと頭に上っていくのを感じた。なるほど、これは予想以上に苦しく辛い。いや、辛すぎるでしょ。私は声なき声を上げてひたすら悶絶していた――
――――その時。
コンコン
一瞬なにが起きたのか分からなかった。誰かがドアをノックした。私に分かるのはそれくらいだった。
コンコンコンコン
2回目のノックでようやく私の個室のドアがノックされたんだと気づいた。だかしかし知らないドアの向こうの人よ、申し訳ない。私は今取り込んでいるのだ。あぁ、息が出来なくなってきた、、
薄れ行く意識の中で耳にしたのは、ぴったり6回のノックと「おぉい、返事してよーねぇ!!!」と叫ぶ男子の声だった。
やがて、私の目の前は真っ白になった。
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