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それにこいつは……
「あら、まだ剣道辞めてなかったの?辞めろとあれほど言ったのに……」
俺の唯一の癒しの剣道までも奪おうとしている。
「……なぜ、辞めなければならないのですか?」
「前にも説明したでしょ。そんな下らないことをするくらいならお勉強をしなさいな。あの人の息子なんだからそれぐらい考えなさい」
意味がわからない。
なぜそこまでしなければならないのだろうか。
ピアノだって……テニスだって……
色んなものを諦めてきた。
医者になれと周りは言う。
俺だって小さいときからそう思ってきた。今だってその気持ちは変わらない。なのに……なぜまた奪おうとする?
「剣道をしていても勉強はできます」
「口答えをしないで!あなたは私の言う通りにすればいいの」
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