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あんたは俺のなんなんだ。
俺は呆れてなにも言えなかった。
「まったく……本当にあの女に似てるわね………」
俺はこの女が大嫌いだ。
バタン…
俺は無言で家を出た。
なぜ父さんは、あの人と再婚したんだろうか。なぜ父さんは、母さんとの思い出がつまったあの場所にあんな女を入れたんだろうか……
分からない……
―――……
「かーあさん♪」
「あら、どうしたの?嬉しそうな顔して」
小さい俺が優しげな女の人に擦りよる。女の人は、ベッドの上でゆっくりと体を起こした。
「えへへー。あのね、見て」
俺は、笑顔で背中に隠していたものを見せた。
「あら、賞状じゃない。優勝!凄いじゃない。さすが私の息子ね」
女の人……母さんは、笑顔で俺を抱き締めた。
「ねぇ、いつになったらまた一緒に剣道できる?」
「そうねぇ……母さんが元気になったらかな」
「じゃあ、もうすぐだね。父さんが診てるんだもんすぐによくなるよ。父さんすごいお医者さんなんだからさ」
「……そうね」
母さんは俺をきつくきつく抱き締めた。
―――……
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