6人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はゆっくりと階段を降りる。
重い足取りでリビングへ向かう。
カチャ
小さくリビングのドアが鳴る。
「あら、悠都さん。おはよう」
「おはようございます。義母さん」
リビングに入った瞬間、俺は俺でなくなる。
「今日は早いのね」
「えぇ、今日は朝練がありますので」
優しげな雰囲気を持つ女性。誰もがうらやましがる母親だ。だが、俺はこの女が嫌いで仕方がない。
親しげに話しかけること、香水の甘ったるい臭いが嫌いだ。
大っ嫌いだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!