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俺はゆっくりと階段を降りる。 重い足取りでリビングへ向かう。 カチャ 小さくリビングのドアが鳴る。 「あら、悠都さん。おはよう」 「おはようございます。義母さん」 リビングに入った瞬間、俺は俺でなくなる。 「今日は早いのね」 「えぇ、今日は朝練がありますので」 優しげな雰囲気を持つ女性。誰もがうらやましがる母親だ。だが、俺はこの女が嫌いで仕方がない。 親しげに話しかけること、香水の甘ったるい臭いが嫌いだ。 大っ嫌いだ。 .
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