不穏の色

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俺は昨日の晩から、ひたすら考えて考えて色んな事を全部挙げ連ねて悩んだ。 …で、頭ん中が散らかって整理できなくなっって…独りで泣いた。 そんで朝起きたら、 いつも通りの日常が普通に展開してるわ、川合がやって来るわで時間だけ無駄に過ぎた。 (あぁ…ムカツク。) なんでこんなにモヤモヤしなきゃいけないんだろう? 半ば八つ当たりで川合に雑用を押し付け、 捨てたくない物達を分けている最中に俺は『それら』に名前を付けた。 逝人の思い入れの強かったものから順に 往診のときに必ず被っていたトレードマークの帽子は『要の考え』 揺るがず、いつもそこにあるから。 使わない食器類は『俺の気持ち』。 無くなって困ることはないかもしれないけれど、寂しくなるから。心苦しくなるから。 幾つも在る汚れた白衣の、唯一残した一着は『親友』 もう一人の親友が俺に対して暴挙を図ったときも、その引き金となった要との関係を知ってなお、変わらずに居てくれたから。 捨てた白衣は『友人だった人たち』 離れ難い気持ちはあった。 だけど、もう要らない。 残す価値が見出せない。 …そうやって俺は、整理した。 やる事なす事一々立ち止まって考える俺は、少しは川合の軽薄さを見習うべきかもなぁ… 、
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