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「なるほど……事情は把握しました。
この世界の管理者であるヤハウェさんがそれを望むなら、特に異存はありません。
しかし、お咎めなしというのはいささかまずいのでは?」
『無論、それなりの処置はするさ。彼には監視を付けるつもりだよ』
「監視…………ですか」
『そう、彼のことをすぐ近くから見張り、見極め、裁定を下す役さ。私としてはその役を君に任せたい』
「一つ質問が。裁定を下すとおっしゃられましたが、裁定の内容は自由にしても?」
『構わないよ。吟味の末に下された裁定ならば、私はそれに一切口をださない』
「そうですか………………分かりました、その任務受けましょう」
『ありがとう、助かるよ。ヘル君には私から伝えておこう。それじゃあ、またね』
通話が切れたのを確認し、携帯を懐にしまう。
眼前には各々武器を構え、いまだに臨戦体勢なカラフル集団。
さて、ここで一度、新たな任務を確認しよう。
銀髪イケメン王道主人公をすぐ近くから監視し、見極めること。
無論、このすぐ近くとは距離的なものではなく、親密度的なものだろう。
戦闘する気満々なやつらを相手に、どう友好を深めろと?
……この任務、早くも暗礁に乗り上げたぞ。
いったいどうしようか?
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