任務開始!

11/14
前へ
/154ページ
次へ
 僕の言葉をことごとく無視したツンデレ(仮)は僕に向かって突っ込んでくる。  その手に握られているのは細身の刺突剣、所謂レイピアだ。  僕の頭部を狙って繰り出される刺突。 何が「痛い目」だ。確実に殺す気だろう。  さて、どうしたものか。 繰り出される攻撃をかわしながらも僕は思案する。  正味の話、今ここでツンデレ(仮)を殺すのは赤子の手を捻るより容易い。 しかし、ツンデレ(仮)を殺してしまえば僕とイケメン君、もといゼロとの間には亀裂が生まれるだろう。 それでは本末転倒だ。  かといって、ツンデレ(仮)には力の差を感じ取れる程の実力はないみたいだし……  ふむ……こうなればあれをするか。策としては下策だがやむを得ないだろう。  ツンデレ(仮)の攻撃の隙を見計らって蹴り飛ばし、自らも後方に跳躍することで大きく距離をとり、呟く。 「転移」  瞬く間に視界が光に包まれ、一瞬感じる浮遊感。  戦略的撤退 それが、僕のとった行動だった。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3439人が本棚に入れています
本棚に追加