任務開始!

12/14
前へ
/154ページ
次へ
ーーーーーーーー。 「…………という訳で僕をこの学園に入れて欲しいんですよ」  壁を覆い尽くす書物。 机の上で山を形成している書類。  紙ばかりの部屋の中に僕はいた。  僕の前には白い髭を長く垂らした、一人の老人。彼こそが、この学園の学園長だ。  僕に任じられた任務をこなす為には、学園への入学は必要不可欠。  故に、僕は学園内の適当な場所に転移した後に学園長室を訪れ、学園長に適度な嘘を交えながらも事情を説明し、入学を要求したのである。  おもむろに学園長が口を開く。 「……君の話は正直信憑性にかける。じゃが、ここは学園で儂は教育者。学ぼうとする意思とそれ相応の能力を持つ者を拒みはせん。よろしい、入学を許可しよう」 「ありがとうございます学園長」  僕の説明に疑惑を感じながらも入学を許すか。豪胆なのか間抜けなのか。どちらにせよ、食えない人物だ。 「細かい手続きや物品の準備があるのでな、また明日、ここに来なさい」 「はい、分かりました。では失礼します」  学園長の言葉に応じ、僕は学園長室を後にした。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3439人が本棚に入れています
本棚に追加