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「…………という訳で僕をこの学園に入れて欲しいんですよ」
壁を覆い尽くす書物。
机の上で山を形成している書類。
紙ばかりの部屋の中に僕はいた。
僕の前には白い髭を長く垂らした、一人の老人。彼こそが、この学園の学園長だ。
僕に任じられた任務をこなす為には、学園への入学は必要不可欠。
故に、僕は学園内の適当な場所に転移した後に学園長室を訪れ、学園長に適度な嘘を交えながらも事情を説明し、入学を要求したのである。
おもむろに学園長が口を開く。
「……君の話は正直信憑性にかける。じゃが、ここは学園で儂は教育者。学ぼうとする意思とそれ相応の能力を持つ者を拒みはせん。よろしい、入学を許可しよう」
「ありがとうございます学園長」
僕の説明に疑惑を感じながらも入学を許すか。豪胆なのか間抜けなのか。どちらにせよ、食えない人物だ。
「細かい手続きや物品の準備があるのでな、また明日、ここに来なさい」
「はい、分かりました。では失礼します」
学園長の言葉に応じ、僕は学園長室を後にした。
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