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「これが教科書でこれが生徒手帳、これが寮の鍵じゃ」
次の日の早朝、僕は再び学園室にいた。
本当に申請から一日後に入学出来るとは。随分仕事が早いんだな。
「もう少ししたら、担任の教師がくるじゃろうから、待っておりなさい。」
担任か…………いったいどんな先生なんだろうな。できれば、ライルくらい面白い奴ならいいんだけど。
そんなことを考えていると、学園長室の扉がノックされる。
「失礼します」
部屋に入ってきたのは、灰色の髪を後頭部で束ねている、二十代中盤辺りの男。
「随分早かったの、ガイアス先生。15分の遅刻じゃ」
「俺だってやるときはやるんですよ学園長」
いや、15分の遅刻で早いってなんだよ。そしてお前はなんで自慢気な顔してんだよ。
僕が内心ツッコンでいると、男は僕の存在に気がついたのか、こちらを向いた。
「あー、お前が転入生か、俺はガイアス=ハスタル。Aクラスの担任をしている。よろしくな」
「よろしくお願いしますセンセイ」
先生なんて人のこと呼ぶの何年ぶりだっけ。自分で言ってなんか違和感を感じる。
「そんじゃ、クラスまで案内すっからついてこい。」
そういってガイアスは歩きだしたので後についていく。
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