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「なっなんでお前がここに!?」
最初に正気に戻ったのは監視対象ことゼロ=ガジェット。それなりの適応力はあるようだ。感心感心。
「なぜ、ねぇ。学園に来るのに“学びたい”以外の理由があるのかい?あるなら是非ともご教授していたただきたいものだね」
「それは……まぁそうだけど。俺が言いたいのはそういう事じゃなくて……」
ゼロは僕の屁理屈では納得せず僕の目的を追求しようとする。が、突然の事態に関して内心混乱しているのだろう。ゼロは言葉を途切らせ、複雑な表情で考えこみ始めた。
僕はそんなゼロを放置してライルの近くに向かい、そばの空席に座る。
「やあ、ライル。昨日ぶりだね」
「ああ、そうだなシアン。昨日学園長室にいたのはこのためだったのかよ。教えてくれればよかったのに。」
「サプライズは突然だからこそいいんだよ」
「確かにそうだな。驚いたし。」
ライルは不敵に笑いながらそう言い、僕に手を差し出す。
「何はともあれ、これからよろしくな、シアン」
「ああ、よろしくね」
僕もまたつられて笑い、ライルの手を握った。
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