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「アンタ……いい加減にしなさ…………」
僕の言葉に納得せず、食い下がろうとしたミーシャをいつの間にかそばに来ていたゼロが手で制す。
「止めなよミーシャ。」
「でも、コイツはゼロを……」
「俺のことを心配してくれてるのは嬉しいけど、彼にだけ非があるわけじゃないだろ?彼だけを悪者扱いしちゃだめだよ」
「な……かっ勘違いしないでよ!アタシはアンタの心配なんてこれっぽっちもしてないんだから!」
ゼロの言葉を必死に否定するミーシャ。
しかしその顔は真っ赤になっており、説得力のせの字も無い。
とりあえず一言言わせて欲しい。
何この歯が浮くようなラブコメ?何この典型的なツンデレ?
「でもゼロ君。この人は怪しすぎます。なにやら隠し事もしているみたいですし、下手に関わるのは危険です」
青髪はゼロにそう訴えるが、ゼロは気にした風もなく青髪に微笑む。
「隠したい事くらい誰だってあるだろ。それにせっかく彼が敵対する気はないって言ってるのに、俺らが敵意を剥き出しにしちゃったら分かり合えるものも分かり合えないだろ?」
「確かにそうですが……でも」
「そんなに心配しなくても平気だよ。昨日もちゃんと武器を収めてくれたし、ライルはもう彼と仲良くなってる。きっと悪い人じゃないって!」
ゼロは励ますように青髪の頭を撫でると、こちらに向き直る。
「俺はゼロ=ガジェット。ゼロって呼んでくれると嬉しい。
昨日は一悶着あったけどそれは水に流して、これからはクラスメイトとして仲良くしていこう」
そういってゼロは爽やかに笑いかけてくる。
本人が昨日のことをあまり根にもっておらず、友好的に接してくるとは好都合だ。
「ああ、よろしくねゼロ。僕のことはシアンと呼んでくれ」
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