任務開始!

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「はぁぁ!」  銀髪は一歩の跳躍で僕までの距離を詰め、剣を振り下ろす。  僕は小さくバックステップし、その攻撃をかわすものの、銀髪は攻撃の手を緩めずに追撃を仕掛けてくる。  僕はくりだされる斬撃を全てかわしつつも、銀髪の様子を観察する。  やはり、何かおかしい。攻撃がどこかぎこちない。まるで、慣れないことをしているような…………  そんな僕の疑問は彼の身に付けている指輪とピアスを見た瞬間、解消される  あれはおそらく、装着者の力を抑制させるアイテムだろう。  相手が本気ではないとは、幸いだ。本気をだす前に葬らせてもらおう。 「よっと」  僕は斬撃の合間を掻い潜って銀髪に近づき、鳩尾を殴打する。 「ガフッ!」  イケメン君の体がくの字に折れ曲がり、苦しげな声が漏れる。 しかし、まだ僕のターンは終わっていない。  殴る、また殴る、更に殴る、殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る  顔を、首を、肺を、脾臓を、鳩尾を、急所を余す事なく狙い着実にダメージを蓄積させていく。  攻撃は最大の防御、回避も防御も反撃も許さずに一方的に殴り続ける。 「炎よ、我が敵を燃やし尽くせ!ファイヤーボール!」  十数秒ほど殴打の嵐を繰り広げたころだろうか、、凛とした声が後方から響き、咄嗟に振り向くとそこには僕めがけて飛来する人の頭大の火球の姿が。  銀髪を殴ることに夢中だった僕は回避が遅れて火球に直撃し、大きく弾き飛ばされた。
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