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土煙が晴れ、僕の眼に飛び込んで来たのは頭髪がカラフルな集団。
「無傷……!?」
彼らの中から驚愕の声が漏れる。あの程度の攻撃で正体不明の敵に傷を負わせられるとでも思っていたのか、はたまた自分の魔法に相当の自信があったのか。
どちらにせよ愚かなことである。
あの様子なら増援に来た連中は学生レベルの力と見て構わないだろう。雑魚だ。
だけど、あの茶髪の男には注意が必要だな。構えに隙がない。
僕と彼らの間の距離は約15メートル。その距離を双方の殺気が飛び交う。
次第に高まっていく緊張感。次第に高まりゆくそれが最高潮に達したとき……
ピピピピピッ!ピピピピピッ!
間の抜けた電子音が僕の懐から鳴り響いた。
……なんかもう、台無しである。戦闘に雰囲気など求めるものではないが、流石にこれはない。
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