Cra×Chihiro

4/6
前へ
/6ページ
次へ
本当は、ずっとずっと。 この感情に気付いていないフリをしていた。 ―好きなのかもしれない― そうおもった瞬間、負けだと思った。 だから、ずっと自分は耐えてきたんだ。 友情を守るために。 ――― 「Craさん?」 「んー?」 二人きりの事務所。小さく流れるBGMだけが唯一の救い。 Chihiroは心に留めていた思いをCraにぶつける決心をした。 「昼間のアレ、何?」 「アレって?」 「いや、その…何かしたやん!変な事!」 「覚えてねーよ。」 「…Craさんは、誰にでもそういう事するん?誰でもいいん?」 「何それ?」 Craが軽くふっと笑う。 「まぁ、うちなんて消耗品ですから?自分を大事にする必要なんて、ないやん。」 ガタンッ!! Chihiroは勢いよく立ち上がり、Craの腕を掴んだ。 「あれだけ自分を大切にしろって言うたよな!?」 「うん。だから、うちは琥珀を守ってる。」 「そういう事じゃなくてっ!」 「…分かってるよ。自分を大事にしなかったら他のメンバーに迷惑かかるから、しないよ、そんな事絶対。」 「迷惑どころじゃない、悲しむやろ!?」 その言葉を聞いてCraは力なく笑った。 「うん。…ありがとさん。」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加