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本当は、ずっとずっと。
この感情に気付いていないフリをしていた。
―好きなのかもしれない―
そうおもった瞬間、負けだと思った。
だから、ずっと自分は耐えてきたんだ。
友情を守るために。
―――
「Craさん?」
「んー?」
二人きりの事務所。小さく流れるBGMだけが唯一の救い。
Chihiroは心に留めていた思いをCraにぶつける決心をした。
「昼間のアレ、何?」
「アレって?」
「いや、その…何かしたやん!変な事!」
「覚えてねーよ。」
「…Craさんは、誰にでもそういう事するん?誰でもいいん?」
「何それ?」
Craが軽くふっと笑う。
「まぁ、うちなんて消耗品ですから?自分を大事にする必要なんて、ないやん。」
ガタンッ!!
Chihiroは勢いよく立ち上がり、Craの腕を掴んだ。
「あれだけ自分を大切にしろって言うたよな!?」
「うん。だから、うちは琥珀を守ってる。」
「そういう事じゃなくてっ!」
「…分かってるよ。自分を大事にしなかったら他のメンバーに迷惑かかるから、しないよ、そんな事絶対。」
「迷惑どころじゃない、悲しむやろ!?」
その言葉を聞いてCraは力なく笑った。
「うん。…ありがとさん。」
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