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焦燥
『まるで年老いてしまった廃人のようだ。
悪く言えば老骸たるものか。
「老い」はこれまでも自分の背中にタッチしようと、懸命に奔走してきていた。
私はそれにある種の焦燥・の・ような・もの、を感じていた。
世間一般では「老い」てしまった人々は知をその脳の中に多く累積しているという見解が広がってしまっているようだが、私だけだろうか、その押し付けがましい「老い・啓蒙思想」が疎ましく感じているのは。
しかしその疎ましさにさえ嫌気が射している今日この頃なのである。
何故嫌気が?はてさて何故か。老いに抗おうとしている自分の中の感情によって湧き出ている嫌気か。
否、焦燥である。
この焦燥とは、老いに抗おうとしている行為から来ているのではと錯覚するのだが、そう捉えるには些か違和感を覚える。
焦燥とは、もっと情熱的で、ロマンチックで、冒険的で、ファッショナブルで・・・。』
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