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震える足を無理矢理前にだして、ベットに近づいた。
包帯だらけの手を握ると、ほんのりとあたたかい
「・・・隆哉?」
やっと出てきた声はかすれて、ささやき声みたいになった。
弱々しく集中していないと気付かないくらいの力で隆哉が握り返してきた。
目が合った。
いつもと変わらない優しい目
「・・・花菜・・・あ・りが・・と・・・・・・・」
手に力がなくなって、ゆるりとあたしの手から隆哉の手が滑り落ちる。
あわてて握りなおした
頭の上で白衣を着た人が言った。
「ご臨席です。午後・・・・・・」
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