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526 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/12/21(日) 16:48:55 ID:SEFG7cel
木村常陸介重茲の大名行列が領国の越前府中から、京へ向かっていた時のこと。
行列に加わっていた鉄砲奉行の槍が、道端の松の枝に引っかかり、槍の鞘が外れて
抜き身になってしまった。槍の先はサビが浮いていた。
「プッ」「何あれ・・・」「あれでも武士かね・・・」「いざという時どうすんの・・・」 ヒソヒソ・・・
これを聞きつけた常陸介、かの鉄砲奉行を呼びつけ、さんざん叱りつけた。
「侍たる者が、何たる不心得か!恥ずかしくないのか?!我が愛槍を見よ!!」
常陸介、自分の槍を取り寄せ、抜き放った。
赤い。 一面サビだらけで、真っ赤になっていた。
「ヲイヲイ・・・」「え?ネタ?・・・」「どうすんだコレ・・・」 ざわ・・・ざわ・・・・・・
コホン。
「分かったか? ふだん槍を使う必要のない大名の槍がサビていて、この騒ぎだ。
仕える身のおまえたちは、なお油断してはならぬ。以後、注意して槍を手入れせよ。」
そう言って、足早に立ち去った。 (武辺咄聞書)
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