狼さんの好きな人～イベント編～

ｶﾞﾄｰｼｮｺﾗ

「ごめんなさい…」

「何、謝ってんだよ？」

「だって、味見もしてないものを渡すべきじゃないかな、と思いまして…。失敗してる確率の方が高いし…」

「ひより…」

そんなに真剣な顔をしてどうしたんだろ？

「何ですか？」

「食べたい。」

「へ…？」

「ひよりとｶﾞﾄｰｼｮｺﾗ。今すぐ食べたい。だから…」

今、私を食べたいって言わなかった？

「だ、だから？」

「俺んちに帰るぞ。」

いやいやいや…
帰るって!!

「今、来たばっかりじゃないですか!!帰るって、おもいっきりｻﾎﾞりですよ。」

「いいんだよ。どうせ、今日は半日だけで授業も部活もないし。明日も創立記念で休みだし。」

「確かにそうですけど…」

「ほら、わかったらさっさと箱に詰めろよ。俺は、早く帰りたいんだよ。」

どんだけ自己チューなんだよ…

俺様か？

「そんなこと言っても…。私、まだ皆にｸｯｷｰも渡してないんですから。」

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