ガトーショコラ

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「…ひより。おいで。行くぞ?」 …………。 その王子様スマイルと、優しい声と言い方が余計に怖いんだけど… さっきまでめちゃくちゃ怖い顔してたのに… 「う、うん…。じゃあ、お兄ちゃんまた明日ね。」 「おぅ。気をつけて帰るんだぞ?」 「うん。」 お兄ちゃんから離れ、急いでモジャ男の元へ駆け寄ると… ダンボールをドンっと落とし、ギュッと抱き締められた。 「か、枢…?」 「郁斗は、兄貴だって頭の中でわかっていても…めちゃくちゃ妬いた。ひよりの兄貴じゃなかったら、瞬殺してた。」 瞬殺って… 「…怖いこと言わないで下さい。」 「だけど、我慢した。ご褒美ちょーだい?」 なに、可愛く言ってんの!? キャラじゃないし!! 「ご、ご褒美って…。あ!!ガトーショコラを…」 「それは、もともと俺にくれるものだろ?」 「う…。だけど、ご褒美って…。何をあげれば…」 .
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