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不意に腕を掴まれた少女は人通りの少ない汚い路地裏に一瞬で引き込まれた。
「……きゃっ!」
コンクリートの壁に叩き付けられた身体に恐怖という震えが走る。
「なんだぁ? お嬢ちゃん、行くとこないのかなー?」
この場所に引き込んだ男は、まだ少女の腕を掴んだままだ。薄暗い中で彼女は目を凝らし、腕を掴む男の背後に数人の男の姿を確認した。
ドクドクという激しい鼓動に心臓が壊れてしまいそうだった。叫びたくとも喉の奥が張り付いたように塞がって声がでない。
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