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直立不動でオーナーとその相棒が現れるのを待っていた、マスターと呼ばれた口髭の男はホステス達の猫なで声に苦笑いした。
「悪いねぇ。私もよくは知らんのだ。アレは、この店を開いた時には既に2人はしていたからなぁ……」
彼は、そうとしか言えなかった。
あの赤い石のピアスに秘められた過去は、軽々しく公言はできないのだ。アレは二人が愛した一人のの踊り子が彼らに残したもの。
「オーナーと兵藤さんが見えました!」
緊張した、若いボーイの声がフロアに響き渡った。
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