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この日の帰り道、辺りはもう日が沈みかけて薄暗くなっている。
しかし、今日はバイトをクビにされていつもより早く帰れる。
「あっ。」
ふと後ろから声が聞こえて、振り向く悠斗。
「最近、よく会うね。」
女の子らしい服でセミロングの茶髪が似合っている女性。
後ろに居たのは高校時代の同級生の東城 彩乃(とうじょう あやの)。
大学は別々の所に行ったけど、家が近所で高校を卒業してからもちょくちょく出くわしている。
「ああ。確かに最近よく会うな。大学の帰り?」
いつも無難な返事しかできてない気がするが悠斗は他に思いつく返事はなかった。
「うん。桜木くんも?いつもバイト帰りの遅い時間しか見かけないような感じだけど。」
「あー実はバイト、クビになって……」
「えっ!?そうなの?いつから?」
心なしか彩乃は積極的に聞いてきた。
「今さっき……」
「えっ今日クビになったの?!」
バイトをクビになったのを喜んでいるようで若干、腹が立つ。
「どこかに、いいバイトないかなー?」
そう言って、悠斗は空を見上げた。
もう夕陽は完全に沈み、空は暗くなっている。
ちょっと肌寒いかも。
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