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見た目では名前や学校なんかが分かるものが無いので、中を見ようとファスナーを摘まんだ。 「何してんだよ」 「ひゃあっ!!......猫さん!!って、キレイになってませんよ?」 不意に声をかけられて見上げた公園のフェンスの上に、血でカピカピの黒猫がいた。 「......くっ。洗えなかったんだよ!!手伝ってくれ......」 「悔しそうですねぇ」 「言うな。それと、鞄とチャリ持ってきて」 「......人に何か頼む態度じゃないですよね」 猫って悔しそうな顔もするんだなぁ、と思いつつちょっと皮肉っぽい事を言ってみた。 そしたら...... 黒猫は、フェンスから落っこちた。
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