104人が本棚に入れています
本棚に追加
「猫でも落ちたりするんだ......」
「もうなんでもいいから、早くしてくれ......」
「ん?」
「......お願いします......」
「はい」
黒猫は小さな眼に涙を浮かべているように見えた。
......ちょっと意地悪しすぎたかな。と、心の中で申し訳ないと思う。
起こしておいた自転車のカゴに拾った鞄を入れ、自転車を押した。
普段はこんな風に相手をいじるような事は言わないのになぁ。なんて、場違いな事で首をかしげながら黒猫の後を追う。
最初のコメントを投稿しよう!