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「いいから、早く行けって。あ、鞄は置いていけよ」
早くしろと、黒猫が急かす。入学早々遅刻という事態に心臓が音をたてて鳴り、冷や汗が出る。思考回路はショート寸前。
パニック状態で冷静に考えられなくなっていた司は、黒猫の言う事に従う事にした。
「ぅぅぅ......じゃあ借ります!誰のか分からないけど、ありがとう。
鞄は......えっと、とりあえず、個室に入れておきますね!!じゃあね!猫さんっ」
手洗い場の縁にちょこんと座る黒猫の返事も聞かずに、自転車に飛び乗り漕ぎ出した。
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