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入学式が何事もなく終わり、次の日。 早めに家を出る事にした司は、暖かな太陽の光を浴びて家の前でのびをした。 司の背中に流れる茶色の長い髪は染めたものではなく、天然の色。これからの新生活に期待する彼女の瞳も朝の光を受けて、茶色く輝く。 司は真新しい革靴を鳴らして、歩き出した。 学校までは徒歩通学。 その途中の路地で曲がると、小さな公園がある。その公園の桜の木がとても綺麗に咲いていたな、と昨日思ったので、今日も見てから行こうと寄り道をする事にした。 公園に近付くと、淡いピンク色の花びらがヒラヒラと降りそそいでいる。 目を惹かれ、見とれてしまうほど幻想的な世界が広がっていた。
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