6/98
前へ
/744ページ
次へ
鼻につくほどの血液の鉄臭いにおいの中、赤黒く変色した血液が黒猫の体中にべったりと張り付き、一部が乾き始めている。 ピクピクッと黒猫の耳や前足の先が、痙攣するように動いた。 「......車にひかれた......のかな?」 血溜まりから出してやろうと手を伸ばした時。 「......っ!!!?」 「きゃあっ!?」 黒猫はパチッと眼を開き、司の右手の甲に引っ掻き傷を付けた。 「あ......っ!スマン」と、司の右手の傷を見て慌てて謝まる黒猫。
/744ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加