年明けならず……

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「くそっ!!!負けた……」 「ふん、どんなもんだいっ。え~と時間は……。!!!!59分だ!!!佑樹、テレビ、テレビ。」 いまこの時間カウントダウンをしようと、テレビを見ている家庭は多いはずだ。 「10、9、8、7……」 幸子がテレビを見ながらカウントダウンをしている。 「ったく、子供じゃないんだから。」 「いいじゃない。この時ぐらい。ほら、佑樹も一緒に。」 「わかったよ。5、4……」 その時、急に佑樹が胸に手をあて苦しみ出した。 「くっ……るし…い……」 「どうしたの?佑樹。大丈夫?」 「母……さ…ん……」 佑樹はその言葉を残しその場に倒れた。 「佑樹ーーーーーーー!!!!!」 ――11時59分59秒 佑樹は年をちゃんと明けられないまま倒れてしまった。
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