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土方さんが掴んだままの持ち主を失った彼女の隊服が、湿った風にはためいた。
「我が儘な気持ちですが、私は総司さん達に…。
総司さんに生きて欲しい。
それにこれも我が儘だけど…信じていますから」
吉田は窓の外を伺ってから、ヒマリ君の手を取った。
ヒマリ君はいたずらっ子のように、はにかんだ笑顔を
「必ず、助けに来てくれるって」
そう。
どんな時でも、あなたの危機には私は駆けつけた。
あなたを守るために。
あなたを好いているからこそ。
私もあなたに生きて欲しいから。
私の隣で笑って欲しいから。
「必ず…助けます」
私の言葉は闇に消えたヒマリ君には届きませんでしたが、自分の心には今までよりも一層、深いところに響きました、
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