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▽▽▽
総司さんの言った通り、門を開ける。
開けた隙間から美味しそうな香りが屯所からした。
「良い匂いもしますね…って、うわあぁぁぁ!」
門を開けた先に、顔一面に色とりどりの紙を付けた男が立っていたのなら、叫ばずにいられない。
まさか、変質者!?
私の悲鳴に総司さんと平助さんが瞬時に殺気立ち、抜刀して前へと駆け出す。
「……一くん?」
「左之も…何してんの?」
さ、斎藤隊長?
驚いて気付かなかったけど、原田隊長もいたんだ。
総司さん達の殺気が鞘へ刀を戻すと共に急速に萎む。
斎藤隊長と思わしき男は私を見下ろすと、一枚、また一枚と紙を剥いで口元を見せた。
「松田、お帰り」
「た…ただいま戻りました」
本当だ、斎藤隊長だ。
「ねえ原田さん、もしかしなくても失敗ですか?」
総司さんの張りつめた声が原田隊長へと突き刺さる。
原田隊長、顔色は悪いのにすごい汗。
「もしかして…?
左之…」
平助さんは何かに気付いたようで、眉を寄せると腰に手を当てた。
すると突然、原田隊長は仁王立ち、ワハハと笑いだした。
「がははは!
松よ、驚いただろ!
俺も驚いた!」
「驚いたと自分で言ってしまいましたよ」
総司さんは冷静。
「松をきゃあvっとどっきりさせたくて、斎藤を紙吹雪仮面にしちゃいました!」
「そんな可愛い悲鳴じゃなかったし、一くんも不本意って顔だよ」
平助さんも冷静。
「まあまあ、ご託は後で。
さ、さ、紙吹雪仮面サイトウと一緒にもっとワクワクする冒険へ出掛けよう!」
「俺はそんな怪しい名前ではない。
そしてお前がご託を並べて逃げるな」
斎藤隊長も酷く冷静だった。
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