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総司さんに比べれば給金も少ないし、新撰組に入隊した時はほぼ無一文。
貯蓄はなるべくしているつもりだけど、支給されない装備品などの諸々の用意もある。
頼りなく思われているんだろうな。
べしっと後頭部を叩かれる。
「うっ!」
前のめりになりそうになり、耐えながら総司さんを涙目で見上げた。
「気にするなら返品しましょうか」
「い、嫌です!
総司さんがくれた素敵な着物を手放したくありません。
あれは大切な品です!」
総司さんのお金が戻ってくるならとは思うけど、それは悲しいこと。
贈ってくれた総司さんへの感謝も、自分の嬉しい気持ちを大切にしたい。
「それならば気に病むのは不必要です。
私も…贈ったかいがありました」
私の泣き付くような言葉を満足そうに小春日和の温かさで微笑む。
とくん、と胸が鳴った。
どうして、そんなに優しくしてくれるのですか?
総司さんを慕う他の有能な隊士もいるのに、私に目をかけてくれる理由は何ですか?
蕩けるような甘い笑みを向けてくれるのですか?
「恩を売っておけば馬車馬の如く、私のパシリになってもらえますからね」
……。
…さっき思ったことは取り消しておこうかな。
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