第2部 不自由を常と思えば不足なし

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土方さんの泣き言を聞けたことで、今回の件は許してあげましょう。 ヒマリ君に既に書かせている始末書も気になりますし、部屋に戻ろうと踵を返す。 「前に話した件だが、明日オオサカ支部から来る。 挨拶もあるし、ほっつき歩くんじゃねえぞ」 釘を刺すように、背中に土方さんの視線も刺さる。 オオサカ…谷三兄弟のことですね。 山南さんも新撰組を去り、松原さんと武田さんの殉職。 二組体制で行っていた巡察もままならなくなり、隊長を新たに選ぶことになった。 佐々木君を推したかったのですが、あぐりさんとの事件に阻まれ、他にも候補がありましたが平行線。 そこで近藤さんがエドの新徴組とオオサカの新撰組支部に掛け合ってみました。 すると、オオサカ支部の谷三兄弟から快い返事が。 その対応も良かったのか、近藤さんが即決。 長男、谷三十郎。 次男、谷万太郎。 三男、谷周平。 三十、万とくれば、三男は億之助とか、億太郎と言う名前にすれば良かったのでは…? ああ、余分なことを考えました。 その彼等の内の三十郎と万太郎の二人が隊長として、新たに異動することになりました。 余り彼らのことは興味なくて知りませんでしたが、明日から共にキョウを守る仲になるなら少しは知っておいた方が良いですね。 「分かりました、出掛ける予定でしたが午後にします」 「お前…親睦を深めるつもりが全くねえだろ」 土方さん、それ以上メンチを切ると皺が増えますよ。 .
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