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平山さんと新見副長は武器を仕舞うと、それぞれの術式も姿を消した。
「な、なんだお前ら。
怪の消滅なんて、憲兵隊の一個集団が必要だぞ?」
佐々木が驚きや恐怖を見せながら言った。
他の見廻組の隊員たちも、戸惑いを隠せていない。
「何だ、だって?
てめぇら、何年キョウにいるってんだよ」
平山さんが心底呆れた顔で、こちらにやって来る。
新見副長は、うっぷとげっぷをしながら夜空を仰いだ。
「いいか、よぉく聞けよ?
俺らは憲兵隊、汚れ役の機動隊。
紙切れの賞状ばかりもらっているお坊ちゃん隊とは、修羅場の数が違うんだよ」
…新見副長。
すごく男前な顔して、男らしいことを言ってますが…。
…立ちションは止めてください。
…塀の器物損壊で捕まえますよ?
先程までの緊張感が新見副長の行為のおかげで、すっかり取れて、私も夜空を仰ぐ。
火事により黒い煙がたちこめて、暗雲たちこめているような気分が、不吉な予感にならないように祈るばかりだ。
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