調度良い目眩ましだ※

2/38
2956人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
報告書と言う名のもとの始末書を、黙々と書いて一刻。 ようやく終わりが見えてきた。 正座し続けた足はすでに6回目の痺れが終わり、心地好い解放感がある。 「が~。…が~。っんが」 そして永倉隊長が居眠りを始めても一刻が経過。 ちなみに永倉隊長の始末書は、真っ白だ。 心配して一度起こしたら「俺は寝ながら頭ん中で昨夜のことをまとめているんだ」と言われたので、放置中。 昨夜の疲れもあるし、仕方ない部分もある。 「松田君、いいかい?」 すっと襖が開き、お茶をお盆に3つのせ片手で持つ源さんが顔を出した。 「源さん、休んでいて下さい!」 「本当にかすり傷なんだ。 これくらい大丈夫だよ」 包帯を巻いた右手を軽く上げると、器用に肘を使って襖を閉じた。 「すまないね、僕の隊に所属して早々に報告書の作成なんて」 眉を下げた源さんは、ことり、と机にお盆を置いた。 .
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!