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報告書と言う名のもとの始末書を、黙々と書いて一刻。
ようやく終わりが見えてきた。
正座し続けた足はすでに6回目の痺れが終わり、心地好い解放感がある。
「が~。…が~。っんが」
そして永倉隊長が居眠りを始めても一刻が経過。
ちなみに永倉隊長の始末書は、真っ白だ。
心配して一度起こしたら「俺は寝ながら頭ん中で昨夜のことをまとめているんだ」と言われたので、放置中。
昨夜の疲れもあるし、仕方ない部分もある。
「松田君、いいかい?」
すっと襖が開き、お茶をお盆に3つのせ片手で持つ源さんが顔を出した。
「源さん、休んでいて下さい!」
「本当にかすり傷なんだ。
これくらい大丈夫だよ」
包帯を巻いた右手を軽く上げると、器用に肘を使って襖を閉じた。
「すまないね、僕の隊に所属して早々に報告書の作成なんて」
眉を下げた源さんは、ことり、と机にお盆を置いた。
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