調度良い目眩ましだ※

4/38
2959人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
昨夜の出来事をまとめると、こうなる。 まずは丸太町通。 反乱組織による撹乱により、各所で斬りあいが発生。 新撰組や見廻組が対応している間に、政(まつりごと)の重役である清河八郎の屋敷が襲撃され、火を放たれた。 清河本人は寝所より清河らしき人物の焼死体が発見され、その検分を所司が行っている。 ニジョウでは火薬庫が狙われた。 永倉隊は騒ぎを聞き、見廻組が守衛していた火薬庫へ行くも、田舎侍の助けは要らぬと断られらる。 しかし、敵の中に強者がいることによって、見廻組は圧される一方。 永倉隊長が突破口を開き、応戦するが苦戦。 火薬庫は守れたものの、丸太町通の増援を阻むように最初から仕組まれていたようだった。 大掛かりな襲撃。 新撰組には死者は出なかったが、見廻組は8名、清河邸では同心や使用人を含めれば20名以上の死者が出た。 例え顔も知らない人間だとしても、自分の関わった事件で誰かが亡くなるのは、無念さで苦しくなった。 以前起きた老中殺害は、清河へ今回の反乱を密告しようとしたことへの暗殺であることが、生き残りの浪人の口から判明した。 その浪人も、今は見廻組により斬首の刑にされ、さらし首にされる予定だ。 蒸気機関やガス灯、レンガ建築もちらほら見られ、社交会や舞台演劇などの文明が花開いた時代に、さらし首という酷い仕打ちがまだ残ることが、私は理解できない部分もあった。 .
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!